【番組案内】日本テレビ「NEWS ZERO」

2008年8月2日

2008年8月4日(月)放送予定
日本テレビ系列 「NEWS ZERO」
(23:44~24:48)
『潜入…少数民族の地 中国に根付くイスラム』
中国・ウイグル自治区での取材映像が放送されます。
取材:渡部陽一(フォトジャーナリスト)
※なお、放送は予告なく変更される場合があります。ご了承ください。

【取材記】中国バス爆破・ウイグル自治区は今 

2008年7月30日

北京オリンピック開幕を控え、中国全土でテロの嵐の予兆が見え始めている。
6月21日には雲南省昆明でのバス爆破事件が発生。
新彊ウイグル自治区の分離独立を求める「トルキスタン・イスラム党」が犯行声明を出した。
しかし中国政府はテロとは認めない声明を発表。
北京オリンピックをなんとか平穏無事に乗り切りたい中国当局、
対して不穏な陰が見え隠れしている中国最奥部新彊ウイグル自治区。
ウイグルでは今、いったい何が起こっているのか…
フォトジャーナリスト・渡部陽一(写真右)が取材した。
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新彊ウイグル自治区はシルクロードの中心地域である。
その名の通りシルクの交易を中心に、ギョク(石の宝石)、
ウイグル絨毯とシルクロード三大物産のすべてがここから産出されていた。
現在は中国西部最大の国際空港を有し、外資系総合デパートも進出するなど
高層ビルの立ち並ぶ近代都市に変容を遂げている。
そして何よりの特徴は仏教大国中国でありながらイスラム教徒が大多数を占めていることである。
中国当局はチベット暴動の反省から新彊ウイグル自治区に対しては
「アメとムチ」政策で舵取りを行ってきた。アメとは、ウイグル懐柔策を見せつけること。
5月12日の四川大地震を受けての地震対策として
ウイグル人に耐震建築物資の無償支援を開始、次々とコンクリート製の家屋を提供した。
さらに石油天然ガスの国営会社での雇用提供などをおこなうことで、
ウイグルでの利潤の公平な分配をアピールした。
表面上のご機嫌取りは功を奏しているが蓋を開けてみると利潤分配の大きな格差を生み出し
市民の不満は高まりを見せていた。
もう一方のムチ政策はわかりやすい。それはイスラム教にメスを入れること。
中国では“宗教が国家転覆最大の敵”と言い切るだけあり、
ウイグル自治区でのイスラム色の軽減を進めていった。
アラビア語表記で記されるイスラム寺院モスクを中国名の清真寺に変更、
さらにモスクの宗教指導者に中国側の指名監督者を配置するなど、イスラムの伝統を否定した。
さらに学校教育ではウイグル語から中国語の公用語授業に切り替えられた。
ウイグルの漢化政策が浸透してきている。
中国政府は何の為にこうしたウイグル政策を進めるのか。
その答えは明確である。ずばり石油を手に入れること。
ウイグルは石油、天然ガスの宝庫である。
海外石油拠点である南米、アフリカは中国が既に押さえており、
自国内のウイグル自治区の天然資源を確保することは核に並ぶ武器を手にすることに匹敵する。
中国としては絶対に手中におさめておかなければならない地域なのだ。
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写真:ウイグル自治区の石油プラント
一方、こうした中国当局のウイグル政策に住民が黙っているのかというとそうではない。
中国国内の情報統制でそのニュースは伝わらないが、暴動やデモが続発している。
最近では97年 99年、00年と連続して反政府デモが連続して発生、
今年は3月23日24日と1000人規模の暴動、
そして6月の雲南省のバス爆破事件と繋がってきている。
今回の昆明のバス爆破事件では「トルキスタン・イスラム党」が犯行声明を出しているが、
中国政府はテロとは認めない声明を出した。
オリンピックは中国の威信を世界に見せつける絶好のチャンスなのである。
国内不穏分子を認めるはずはない。
北京から一番遠い地域である新彊ウイグル自治区の動きから本当の中国の姿が見えてくる。
中国の抱える最大の火薬庫、ウイグル自治区が暴発する日は近い。
渡部陽一(フォトジャーナリスト)
取材:2008年6月9日~6月15日

【やまじブログ】カラジッチ被告逮捕に思うこと

2008年7月23日

カラジッチ被告、ついに逮捕されました。
私は1994年、ボスニアのセルビア人支配地区で彼に会ったことがあります。
兵士を従えた彼は、体がデカく目つきも鋭いといった感じで、とにかく迫力のある人でした。
当時ボスニアの国連代表をしていた明石康さんも一緒だったんですが、二人の姿を見比べて
大人と子供ほどの違いを感じたのを憶えています。
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これまでセルビアはカラジッチ被告の逮捕に消極的だと言われていました。
というのも、今も彼の民族主義を支持するセルビア人が少なくないからです。
ところが、セルビアは先の選挙で経済発展重視のEU加盟推進派が勝利を収めました。
こうしたセルビアの政治体制の変化がカラジッチ被告逮捕の背景にあるのだと思います。
そこで考えてしまうのが、長井さんの事件です。
長井さんを含め、多くのビルマ人が軍事政権の弾圧で犠牲になっています。
これは立派な人道に対する罪だと思います。そんなビルマ軍事政権の犯罪を訴追して貰うために、
私たちはいま日本外務省にICC(国際刑事裁判所)への提訴をお願いしています。
そんな事をしても無駄だという声があちらこちらから聞こえて来ますが、
私はいつか必ずビルマに民主主義が訪れる事を信じていますし、
軍事政権が永遠に続くとも思っていません。
政治体制が変化すれば軍事政権を法廷に引っ張り出すことが出来るのです。
1970年代のカンボジア大虐殺に関与した元ポルポト派幹部を裁く特別法廷も始まったばかりです。
今のところ日本外務省はICCへの提訴について「検討中」と言うだけで何もしていません。
とても残念です。
あまり知られていませんが、ICCの判事には日本人女性もいて、
日本政府もかなりの資金を出しているのです。
私としては一刻も早く日本政府のICCへの提訴を願っています。
外務省の皆様、宜しくお願いします。
カラジッチ被告逮捕の報に改めて思いました。
2008/07/23 やまじ

【7月22日】長井健司記者 関連記事

2008年7月22日

サイクロン支援、新たに22億円=高村外相、ミャンマー外相との会談で表明
【シンガポール22日時事】シンガポール訪問中の高村正彦外相は22日、ミャンマーのニャン・ウィン外相と会談し、同国を襲ったサイクロン災害に対し、新たに2100万ドル(約22億3000万円)の支援を行う考えを表明した。これに対し、ニャン・ウィン外相は「深く感謝したい」と述べた。
 高村外相は「(民主化運動指導者の)アウン・サン・スー・チーさんの自宅軟禁が延長されたことを憂慮している」と伝えた。また、昨年9月に同国の反政府デモを取材中に射殺された長井健司さんの遺留品返還と事件の真相究明を要求。ニャン・ウィン外相は「できるだけ協力を行う」と述べるにとどめた。
(2008/07/22-12:38)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008072200399
追記:
外務省HPより転載
日・ミャンマー外相会談(概要)
平成20年7月22日
 22日9時40分から約30分間、シンガポールにおいて日ミャンマー外相会談が行われたところ概要以下のとおり。(当方同席:渥美南部アジア部長、兒玉外務報道官、下川大臣秘書官、垂南東アジア第一課長他、先方同席:チョウ・ティン政務局長代行、ニャン・リンASEAN担当大使(次期駐インドネシア大使)他)
~中略~
5. 高村大臣より、長井健司氏死亡事件に関し、長井氏の遺留品の返還及び事件の真相究明につき引き続きニャン・ウイン外相の協力を求めたい旨述べ、これに対しニャン・ウイン外相より、担当は内務省であるが、引き続き所掌の範囲内でできる限りの協力をしたいと述べた。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_komura/asean_08/jmy_gk.html

【イベント案内】GO!GO!SHIODOMEジャンボリー

2008年7月19日

きょうから汐留・日本テレビで開催されている「GO!GO!SHIODOMEジャンボリー」にて
8月12日(火)から長井健司ディレクターの記録が展示されることになりました。
これまでの取材映像などを上映する予定です。
「NEWS ZERO×報道特捜プロジェクト」
~長井健司が伝えた最前線~
期間:8月12日(火)~8月31日(日)
場所:日本テレビ敷地内
http://www.ntv.co.jp/shiodome/index.html